2011年、オークションで格安のロードフレームを落札しました。
モトベカンクリテリウム。
このカラー、フランスのBICチームのカラーです。あのBICボールペンの軸の色ですね。
1973年のツールドフランスでBICチームのルイス・オカーニャが優勝しておりこれはそのレプリカのようです。
ネットでひろった当時の広告写真です。パーツはオールカンパのようです。
上の広告写真とは色やホークのメッキなどよく似ていますが、
ぼくのはユーレーエンドでどうやらオールカンパで組まれていたのではなさそうです。
完成後いろんな人に見てもらうと、どうも市販車のレベルではなくプロモデルではないか、とのことです。
モトベカンはフランスの大手自転車メーカーですが、プロロードレースチームへの供給となると求められるクオリティが高いので腕の良い小規模なハンドメイド工房に製作を依頼していたようです。
これもそんな1台ではないか、とのこと。
確かにエンド回りの処理や巻きステーなど、よくオークションに出てくるモトベカンとは
ちょっと違う洗練された仕上がりになっています。
まあ真実はともかくなかなか素性の良さそうなフレームなので好きなフランスパーツで
組んでみることにしました。
しかし、いきなり大きな障壁が・・・。
フレンチ規格のフレームなんですが、BBの右ワンがゴソゴソです。
どうやら右ネジをツブしてしまったのでやむなく同じ正ネジで1mm大きいイタリアンに切り直してあるようです。
UGの兄♭♭♭さんにイタリアンのBBをお借りして嵌めてみるとなんとかいけそうです。
フレンチのBBは別に落札してたのでとりあえず出品者にクレームを入れたところ、
出品時にも気づいていなかったようで驚いた様子でした。
で、すぐにジピエンメのイタリアンBBワンを送ってくれたのでなんとか一件落着。
精度云々を言えばとんでもないフレームですがまあぼくレベルでは問題なく使えてます。
届いたときにはかなりヤレていて、特にシールのデカールはボロボロでした。
そこでステッカーは全部剥がしてレプリカ作製、フレームはタッチアップで補修しました。
シートステーはキレイなフレンチタイプの2本巻き。
ラグには黒ペイント&赤のふちどり。
チェーンホイールはストロングライト63。
7mmの旧タイプのボルトがついています。
チェンジセットは時代がばらばらのユーレージュビリー。
ホイールはスーパーチャンピオンのRecord du Mondeにカンパレコードハブ。
ペダルもカンパレコード。
オールフランスにはできませんでしたがカンパのハブとペダルは大好きなもんで・・・。
ハンドルはちょっと時代が合ってないPIVO。
ハンドルケージは今は使っておらず普通のTAをダウンチューブに付けています。
サドルはヒビだらけのブルックスプロフェッショナル。70年代のものなので革自体はまだまだしっかりしています。
ブレーキはマファックのシールコンペ。
ボトルケージはTAに変更。
このクルスルートでRRCBの早朝ランやスズカエンデューロを走ってたんですが
ぼくには少しフレームサイズが大きい。
特にトップチューブの570mmはしんどい・・・。
まあそれでもレーサーはこれしかないので乗ってたんですが
2016年の年末にラファエル・ジェミニアニが来てからはそっちばかり乗るようになってしまい
一部のパーツをジェミニアニに移植してバラしてフレーム保管状態に・・・。
2020年、ふと思いつき、以前にアイズバイシクルのセールで買ったカンパの9sパーツをこのフレームに組んでみました。
とりあえず手持ちパーツで組み付けてテストラン。
まあまあいけそう・・・。
そこでフレームに火を入れて本格的に改装することに・・・。
とりあえず剥離します。
時は2020年2月。ぼくがフレーム剥離するのってなぜか冬の真っ只中が多いような・・・。
剥離してみてもなかなか良く出来たフレームです。
Reynoldsの刻印は見つかりませんでしたが、正真正銘レイノルズ531チューブです。
コレをナニワ銀輪堂に持ち込み、橋口製作所で加工してもらいます。
お願いしたのは
・芯出し、エンド幅を130に
・ブリッジ交換。
・センタープル台座、ワイヤー内蔵、ワイヤーリード直付け
・シートカラー交換
・Fキャリア作製
3週間ほどで仕上がりました。
その後上村塗装で塗装。
色はマビックのリム色に合わせてガンメタリックにしました。
足りないパーツもオークションで入手して組んでいきます。
まずまずのプロポーション。
ヘッドがやけに立ってるようにも見えます。
けどやはりトップが長くハンドルが少し遠いです。
ガードのセッティングはやや失敗。
前後とももう少し後ろ寄りにセッティングするべきでした。
余計な穴あけるのはイヤなのでもうこのまま行きます。
ドライブトレーンはカンパミラージュ&ヴェローチェ。
チェーンホイールはカンパミラージュ。
スプロケットは13-25(?)。9sです。今や時代は12〜13s・・・。
50年以上前のパーツばっかりいじってきたぼくにすれば最新パーツなんですが、これって20世紀のパーツなんですね・・・。
もうちょっと大きいローギアが欲しいけどそうなるとRディレイラーもコレでは無理そう・・・。
ハブはカンパヴェローチェ。
ユーレーエンドにカンパのディレイラーは普通はそのままでは付きません。
エンド改造してもらうのも考えましたが、スベルトのカンパエンド用アダプタを改造してカンパのユーレーエンド用アダプタを作製して対応しました。
ブレーキはレーサー時代からそのまま移行。
直付けにしてもらったこともありよく効きます。
サドルはブルックスのカンビウム。
カンビウムとはいえ樹脂サドルはお尻が痛くて3Dゲルパッド必須です。
ピラーはかつてサンプレの26.6を使ってて、このフレームは26.6だと思ってたんですが今回シートカラーを交換してもらったら26.6ではユルユルで26.8がジャストフィット。
シートピンのカラー換えたので歪んでたのが直ったんですね・・・。
手持ちのサカエのP3に交換。
ハンドル周りは日東。
エアロタイプのステムはあんまり好きではなかったのですが、この自転車ならこれの方が似合うかな、と。
仮組みの時はフィリップステム+プロフェッショナルだったんですがステムを少し長いものにしたかったのでリーチが長いフィリッププロはボツに。
それにフィリップのラグステムではちょっと古くさすぎます。
エルゴレバーもかなり以前のタイプ。
キャリヤは6mmで横バーなしで作ってもらいました。
ガードはグランボアのプチジャンタイプ。
前をもう3cm短くセッティングするべきでした・・・。
フロントのハブはカンパアテナです。
このホイールの前オーナーがバレルの太いのを嫌ったのか前後違うものになってます。
マビックリムのシールは傷んでいたので剥がして古い菱形タイプのレプリカを貼りました。
クイックはレコードの曲がりクイック。
チェーンリングは53×39。
53Tはちょっと大きすぎる・・・。
その後、UGの兄♭♭♭さんがebayで50Tを落札して譲ってくれました。
よくスポルティーフとランドナーの違いって何?って話がありますがぼくはタイヤ径とかではなく『ドライブトレーンにレーシングパーツを使ったツーリング車』がスポルティーフだと思っています。
ペダルもこの際なのでSPDに。
シマノのA520というモデル。
シート周り。
なかなかええ感じ。
今回のフレームはまったくのノーマーク。
『ドコのフレームですか?』って聞かれるのもまた楽し。
クルスルートの頃 | 9sスポルティーフ | |
---|---|---|
フレーム | レイノルズ531 580mm | 同 |
ヘッドパーツ | ストロングライト コンペティション | 同 |
リム | スーパーチャンピオン Record du Monde | マビック |
ハブ | カンパレコード LF | カンパ R-ヴェローチェ F-アテナ |
タイヤ | ビットリア ラリー | グランボア セールブリュ 700x26c |
Fメカ | ユーレージュビリー(1次型) | カンパ ミラージュ |
Rメカ | ユーレージュビリー(1次型) | カンパ ヴェローチェ |
Wレバー | ユーレージュビリー(3次型) | – |
クランク | ストロングライトコンペティション63 | カンパ ミラージュ 170 |
チェーンリング | ストロングライト 52×38 | カンパ ミラージュ 50×34 |
ハンドル | PIVO | 日東 |
ステム | PIVO | 日東テクノミック |
ブレーキ | マファック コンペティション | 同(直付) |
ブレーキレバー | マファック アメゴムパッド | カンパ ベローチェ |
サドル | ブルックスプロフェッショナル | ブルックス カンビウム |
ピラー | サンプレックス 26.6mm | サカエ P3 |
マッドガード | なし | グランボア プチジャンタイプ |
キャリヤ | なし | エクタープロトン 6mmパイプ |
ライト&テール | なし | キムラリフレクター |
ダイナモ | なし | なし |
ポンプ | シリカ インペロ | なし |
ボトル | ALE & TAケージ | ベロオレンジケージ |